援助関係の形成方法:バイステックの7原則

援助者とクライエントとの援助関係

援助者とクライエント(相談をする人)との援助関係は、相談援助の結果に影響することが多くの研究で明らかになっているそうです。
援助者とクライエントの関係が良好な方が、相談援助も良い方向に導きやすいことは感覚的になんとなく思うところですが、どういったエビデンスがあるのかはまた時間のあるときに調べてみたいと思います。

今日は、クライエントとの援助関係を築く上でとても大切な、でも実践も難しい原則についてメモしておきます。

バイステックの7原則

バイステックの提唱した7原則は援助関係の土台となるラ・ポール(信頼関係)をクライエントと援助者との間で築く上で欠かせないものであり、ソーシャルワーク全般において遵守されるべき原則とされています。

社会福祉に携わる者として、常にこの7原則を心に留めて実践しなければならない…とは思っていますが、なかなかに難しい。
でも、これを意識して相談援助に当たるのとそうでないのとでは、結果が全く違うように思います。7原則は次のとおりです。

  1. 個別性の原則
  2. 意図的な感情表現の原則
  3. 統制された情緒関係の原則
  4. 非審判的態度の原則
  5. 受容の原則
  6. 自己決定の原則
  7. 秘密保持の原則

個別性の原則

クライエントの相談の中には今までに経験したケースや、現在抱えているケースの中でもよく見られる問題であることがあります。その事実を捉えれば「よくある問題」であるかもしれないのですが、クライエントが話すその人が抱える問題は、その人自身固有のものであると捉える必要があります(①個別性の尊重)。
そして、目の前のクライエントの個別な状況、社会的背景、性格や価値観などについて深く知ろうとする態度を徹底します。
勇気をもって相談したのに、「あー、よくありますよねーそれ!」とかって捉えられるとゲンナリしますよね。

意図的な感情表現の原則

他の人と同じ問題であると一括りせずに、クライエントの感情表現を自由に認め、クライエントが意識していない感情や表現したい感情をうまく表現できるように手伝うことが必要です(②意図的な感情表現の原則)。
クライエントのお話の中で、クライエントの感情が読み取れる部分があります。言葉に発することもあれば、言葉としては出ないことも。
それを丁寧に拾って、「〇〇さんはこの時、嫌だったのですね。辛かったのですね。」といったように、意図的に感情を表現するように心がけます。
だって人間は感情の生き物。「思考」があっても、そこには必ず「感情」があって、それを大切にしなければ、と思います。

統制された情緒関与の原則

クライエントの自由な感情表現は大いに結構なのですが、そこに援助者が巻き込まれないように注意します。

非審判的態度の原則・受容の原則

援助者はクライエントの考え方や行動が容認できない場合であっても、その人を評価・審判することなくそのまま受け入れることが大切。
みんなそれぞれの価値観があります。でも、援助者としてはそれはそれとして自分の価値観や横に置いておき、評価・審判せずに傾聴する。
ここ、すごく大切だと思います。難しいけど。
はじめから「あー、こりゃダメだ」と思っているとこちらからのお話も必然的に「上から目線」的になりますし、クライエントが問題と思っていることが、そしてその原因がなかなかわからないといったことになりがちだと思います。

なぜなら、初めから援助者が自分の価値観で決めつけているから。

自己決定の原則・秘密保持の原則

そしてここも重要ポイントですが、問題解決については、援助者が指示するのではなく、利用者の自己決定を促し尊重することが大切です。
援助者としてはこのようにした方がいいかな?と思って、例えば様々な社会資源を選択肢として提示したり、案内するのは必要かもしれませんが、あくまで最終的に判断するのはクライエントなのです。

そして最も大切で、そして最も基本的なことかもしれませんが、相談内容の秘密保持は徹底します。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です